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苦悩の7年 裏工作
「いやぁ、よく来てくれたな、リチャード。」
「珍しいですねホームパーティなんて。どうしたんです急に?副社長。」

リチャード・ニューエンダイクは、上級副社長であるトニー・シュナールの手を握りながら、突然の招待に戸惑っていた。プライベートでそれほど親しくないトニーの家に敢えて呼ばれるという事は、何か難題を彼に依頼する事を意味している。

「まぁ、たまにはゆっくり話を聞きたいと思ってな。さぁ楽にしたまえ。
おぉ?い、サマンサ!お客さまがいらっしゃったぞ。」

「はぁ?い!ようこそいらっしゃいました?ん♪」

台所から1メートルほどの大皿をふたつ、軽々と両手に持ったトニーの妻サマンサがにこやかに出迎えてくれた。置かれた皿を見てリチャードは息を飲んだ。スリムでスタイルの良い彼女の、どこにそんな力があるのか…皿の上にはごっそりと料理が敷き詰められている。
リチャードはサマンサに気づかれないように大皿を持ち上げてみた。ピクリとも皿は動かなかった。どう見ても50キロはゆうにある。

「さぁ、まずはシャンパンで乾杯よ?ん♪」

サマンサがワインクーラーを運んで来た。その中には山ほどの氷と、その表面に粒の汗を浮かべ、爽やかに冷えてるであろう『ドンペリニョン エノテーク』のラベルが見えた。トニーはボトルの封を切り、天井に向けコルクに手をかけた。弾ける音と共に、勢い良くコルクが跳んだ。

「あ゛!」

リチャードが鋭い声をあげた。コルクが天井の豪華なシャンデリアに一直線に吸い込まれて行く。
耳障りな甲高いガラスの悲鳴。キラキラと虹色を撒き散らし飛散するシャンデリア。リチャードはスローモーション映像を見るようにそれらを認識し、腕を交差して向ってくるガラスの破片をよけようとした。と、その時…

サマンサの鼻が小刻みにピクピクンと揺れた、ように見えた。

わぁぁ??!!…て、あり?…。」
「どうなさいました?リチャードさん♪」
「…今…あの…シャンパンのコルクがシャンデリアに当たって割れて…。」
「え?何もありませんでしたわよ。気のせいぢゃ有りません事?
…あは、あは、あははははは♪


何も起きていなかった。コルクはちゃんとサマンサの手にあり、シャンデリアは何事もなかったかのように煌びやかな光を放っている。満面の笑顔を浮かべているサマンサ、はにかんだ感じでちょっと困ったちゃんな表情をしているトニーを、リチャードは代わる代わる見た。

「え?…あり?…夢でも見たのかな…何か変だな…。

…コショコショ…
「ほら!もう、ダーリンったらほんとに迂闊なんだから!」
「ごめんよサム。キミの魔法が無かったら大変な事になるとこだったよ。」
「何も知らない人の前で使っちゃダメなんだから!アタシが魔女だって事が
バレちゃうでしょ!この事は二人だけの秘密よ、判ってる?」

「判ってるってサム。」


…て、『奥様は魔女』かぃ! …コホン…


豪華な食事の後、リチャードはリビングのソファにおさまっていた。
向かいに座り、ブランデーグラスを手にしたトニーが口を開いた。

「ぢつはねリチャード、ちょっと困った事があってね。」

来た!リチャードは次の言葉を待った。

「いや、何ね、先日から仕事も満足に出来ないような問題児が、セクハラだセクハラだと声高に喚いててね、ほんとに困ってるんだ。当のGMはまったく覚えがないと言っている。何か気に入らない事を言われて感情的になっているんだろう。だが、このまま放って置くと反セクハラ方針を掲げて教育プログラムまで設けているはずの我が社の信用はガタ落ちだ。頭の痛い事だよ。」
「本当に言いがかりのような事を言っているんですか?」
「当の苦情を言っている本人達は社内でも色々よくない噂もあってな、GMは前々から頭を悩ませていたらしい。何度か注意はしていたようだ。それが気に入らなかったのか、ラリー社長に直談判すると言い出しよった。」
「…で、私にどうしろと?」
「すまんが問題児達を色々理由をつけて排除してもらいたい。」

「それは…命令ですか?」
「これは任務だ。ミラー・グループは健全でなければな。はっはっは!

この日、サマンサの見る目の前で上級副社長のトニーは、リチャードに対し
下品な悪代官と越後屋並みのミッションを下したのだった。

次回に続く(をぃをぃ…どこまで続ける気?)
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【2007/05/17 00:00 】
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